万年筆やガラスペンがもっと楽しくなるインクの選び方と選ぶポイント

デザイン性の高いモデルが発売され、近年注目を集めているのが万年筆です。以前のように「高級品は高く、廉価なモデルを使うくらいならボールペンのほうが使いやすい」という時代は終わり、今はお手軽な価格でハイスペックな万年筆を購入できるようになりました。万年筆を購入したら次にこだわりたいのがインクです。そこでインクの種類や選び方の基本をまとめておきましょう。

 

1. インクのタイプは2種類

まずは、万年筆で使用するインクのタイプを紹介しましょう。万年筆はペン軸内部にインクが入った容器を取付け、そのインクを使用して文字を書くのが基本です。

 

このインクのタイプが2種類あります。かたや手軽で使いやすいタイプ、かたや少々手間はかかるもののインクの違いを楽しめるタイプと、その方の用途によって使い分けるのがおすすめです。

 

1-1. カートリッジタイプ

カートリッジタイプとは、お持ちの万年筆に合ったインクカートリッジを購入し使用するタイプです。すでにカートリッジにインクが入っていますので、市販のものを購入し、カートリッジを差し替えるだけですぐに使える手軽さが特徴です。

 

デメリットとしては、その万年筆に対応したカートリッジしか利用できないということ。他社からきれいな色のインクが発売されても、カートリッジの形状が合わなければ使えません。そのため使用できるインクの色が限られている、という点もデメリットとして考えられます。

 

1-2. ボトルインク

万年筆のインクと聞いて、小さなボトルに入ったインクをイメージする方も多いと思います。それがボトルインクです。ボトルインクを使用する場合、コンバーターと呼ばれる中身の入っていないカートリッジのような容器を使い、インクを吸い上げて使用するタイプになります。

 

メリットは多くのインクを使用できるということ。ボトルインクであればメーカーを問わず利用できますし、多くのカラーを選べるという特徴もあります。

 

デメリットは手間がかかること。万年筆と、その万年筆にあったコンバーターを購入し、ボトルインクを選んで吸い上げて使うということで、カートリッジと比較するとひと手間、ふた手間多くなってしまいます。

 

しかしボトルインクでいろいろなインクを試すのが万年筆の醍醐味でもあります。そこでここからはこのボトルインクの種類や選び方を紹介していきましょう。

 

2. ボトルインクは大きく分けて3種類

一口にボトルインクといっても、インクのタイプ別に3種類に分けられます。それぞれ原料が違うなど特徴があり、使用する際に注意すべきポイントも変わってきますので、使用感や使用上の注意点などに注目して解説していきましょう。

 

2-1. 没食子インク

没食子と書いて「もっしょくし」と読みます。一般的には古典インクとも呼ばれており、ヨーロッパなどでは古くから愛用されているインクになります。元来は鉄に含まれる塩と植物性のタンニン酸を成分としているインクですが、現代では染料に鉄分と酸を加える製法が中心です。

 

黒もしくは濃紺、黒紫といった濃厚な色合いが特徴で、カラーバリエーションの少ないインクになります。書いた後時間経過とともにインクが黒く変色する特徴があり、耐水性、耐光性が強いため、長期保存に向いているインクです。

 

2-2. 染料インク

現代の万年筆などのインクで中心的なのが、この染料インクです。鮮やかな発色、カラーバリエーションの豊富さが特徴で、またカートリッジの中で固まりにくく、使いやすいのが特徴です。ただし耐水性や耐光性が低く、水に濡れると滲んだり消えてしまったりと問題もあります。

 

2-3. 顔料インク

染料インクと同様に、カラーバリエーションもあり、万年筆を使い慣れている方には使いやすいインクといわれているのが顔料インクです。耐水性、耐光性に優れており、書いていても滲みが少ないインクとして重宝されています。

 

ただし顔料は微粒子から成り立っており、使用していないと固まりやすい特性を持っています。一定期間使用していないケースでは、万年筆内で固まってしまい、万年筆を分解して清掃しないと書けなくなるなどのトラブルも起こりやすいインクになります。

 

3. インクの選び方

ボトルインクにはそれぞれ特徴があり、その特徴を理解して選ぶのがおすすめです。とにかくかわいいカラーを選びたいというのであれば染料インクや顔料インクがおすすめです。その中で毎日のように使うのであれば、書きやすく保存性の高い顔料インクがおすすめですし、たまに手紙を書くときなどにのみ使いたいというのであれば、凝固性の低い染料インクのほうがいいでしょう。

 

年賀状や手紙、日記など、残しておきたいものに使うのであれば、長期保存がきく没食子インクがいいでしょう。カラーバリエーションは少ないですが、万年筆で書いた風合いが長く保存できるインクになります。

 

4. ボトルインクの活用法

万年筆を使うといっても、現代の社会では実際に自分で文字を書く機会は限られているかと思います。そう考えると、小さいものといってもボトルインクを買ってしまうと、使いきれるか不安な面もあるかと思います。そんな方には毛筆を楽しむのがおすすめです。

 

毛筆と聞くと、硯で墨を擦って各イメージがあるかもしれませんが、墨汁があるようにすでに液体となっているインクでも当然使用可能です。つまりボトルインクの色を活かした毛筆書きも可能であり、いわゆる書道ではなく、独特の風合いを楽しめる文字を書けます。

 

年賀状やお礼状、暑中見舞いなどや手紙などを書くときに硬筆だけではなく毛筆も取り入れることで、さらに文字を書く楽しみは増えるでしょう。

 

5. まとめ

万年筆やガラスペンなどを楽しむには、インク選びが重要になります。どんな場面で使用したいか、書いた文字を長く残したいのかなど、用途によってインクを選び分けることがポイントです。

 

また、万年筆など硬筆で文字を書くといっても、自分の字にあまり自信がないという方もいらっしゃるかと思います。そういった方におすすめしたいのが書道です。書道といっても、真剣に取り組んで段位を狙うばかりが書道ではありません。自分の名前をキレイに書きたい、文字のバランスの取り方を身に着けたいなどのお悩みも書道で解決できるのです。

 

日本語を美しく書く基本は、書道の基本に詰まっています。そう考えると、硬筆の文字をきれいに書けるかどうかも、書道の基本を知っているかどうかという部分が大切になります。

 

とはいえ、今から書道教室に通うのも、時間もないし近所にないし、という方もいらっしゃるでしょう。そんな方におすすめしたいのが「書香」です。書香は全国で子に住んでいてもレッスンを受けられるオンライン書道教室です。もちろん本格的な書道も教えていますが、自分の名前をキレイに書きたいなどのご養母にもお答えしている書道教室になります。

 

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