習字道具で欠かせない筆!子どもに適する筆選びのポイントを教えます

子どもに習わせたい習い事。その種類にはいろいろありますが、習字もそのうちのひとつではないでしょうか?習字の腕を上げるには、大人になってからよりも子どものうちに習ったほうがより上達が早くなるのが一般的です。

 

ただし、どんな習字道具を使っても上達するというわけではありません。子どもには子どもに適した習字道具というものがあるのです。今日は習字道具、なかでも子どもに適する筆選びのポイントを中心にみていきます。

 

1.良い道具を使い変な癖をつけないことが大切

習字で使う道具にはいろいろなものがありますが、適したもの、良いものを使うことが上達の近道でもあります。それは子どもでも同じ。小さい体に合った道具、小さい時だからこそ良い道具を使い、変な癖をつけないことが大切です。

 

ここから子どもに適した習字道具とはどのようなものか?とくに子どもに適した筆選びのポイントについてみていきます。

 

2.学校で習字を習うのは何年生から?

習字を習い始めるタイミングというのは人それぞれ。なかには習字教室へ通うという人もいるでしょうが、多くの場合、学校の授業で初めて習うのではないでしょうか。一般的な学校では小学3年生から習字の授業が開始されます。

 

3.小学生に必要な習字道具とは?

では、小学3年生の子どもが習字を習うのに必要な道具にはなにがあるのでしょうか?一般的な学校では「習字セット」「書道セット」と呼ばれるものを購入します。そこに入っているもので基本的には十分事足りますが、購入するセットによって中身が異なる場合もあるので、購入前・購入後に確認が必要です。

 

3-1.筆

習字に必須なもの言えばこれを思い浮かべる方も多いでしょう。習字セットに最初から入っている筆は基本的な性能のものがほとんどです。「筆なんてどれを選んでも同じ」といったイメージ持っている人もいますが、じつは筆の良し悪しが書道の出来を左右するのです。

 

3-2.硯(すずり)

墨汁を入れるための硯。最近ではプラスティックやセラミックで出来たものが多くなっています。

 

3-3.文鎮

半紙を押さえるのに使用します。素材や形がいろいろあり、見た目も楽しめます。

 

3-4.墨汁

液体状になっておりすぐに使用可能な墨です。

 

3-5.水差し

墨汁を薄めたいときに使用するための水を入れます。

 

4.良い筆、使いやすい筆とは?選ぶ基準は?

以上のように、いろいろな種類の習字道具が必要です。そのなかでも、筆の質が習字の出来を左右することは先ほど述べました。筆の良し悪しを知っており良い筆を選べば、習字がより上手に書けるようになります。その点は大人も子どもも同じです。

 

では良い筆、使いやすい筆、子どもに適する筆とはどういったものなのでしょうか?筆を選ぶ際の基準・選び方についてみていきます。

 

4-1.「四徳」が備わっているかどうか

じつは筆には「四徳」というものがあり、その四徳が備わっていれば良い筆と言えるとされています。その四徳とは「尖・斉・円・健」です。

 

「尖」というのは筆先の尖りのこと。筆先が尖ってまとまりのあるのが良いとされています。筆先が尖っていれば、思ったように筆先をコントロールすることが可能です。筆先が尖っていない筆だと筆を動かしたつもりでも、きたない字になりがちです。

 

「斉」とは筆先の全体のまとまりのことで、まとまっていればいるほど良い筆とされます。まとまっている筆先は墨汁を十分に含ませられるので、力強い字を書けるのです。まとまっていない毛があると、文字と関係ない部分に墨がついてしまう可能性があります。

 

筆先全体の形がきれいな円錐形になっているものを「円」と言います。こちらも筆先に墨汁をたっぷり含ませ力強い字を書く条件となるでしょう。

 

「健」とは弾力やコシに関するもので、筆先にコシ・弾力があるものが良い筆とされます。程よい弾力を持っていればいるほど、スムーズでしなやかな文字を書けるのです。このスムーズでしなやかな書き味が、書道の持ち味である「とめ」や「はらい」「はね」といった表現につながります。

 

4-2.毛の種類で選ぶ

筆に使用される毛にはいろいろな種類があります。基本的な分け方は「剛毛筆」と「柔毛筆」になり、選ぶ際はどのような字を書きたいかやどのような表現をしたいのかを基準にするようにしましょう。

 

剛毛筆というのは、ひと文字ひと文字をじっくりと書きたい場合に使うとよい筆です。楷書や大きな文字を書きたい場合にも、コシがあり弾力性に富んだ剛毛筆を選ぶようにしましょう。

 

柔毛筆というのは筆先が柔らかくなっています。行書・草書の文字を書きたい場合は、柔毛筆の筆を選ぶとよいでしょう。

 

4-3.軸の形で決める

軸の形には大きく分けて二つのタイプ、「だるま軸」と「ストレート軸」があります。それぞれで書きやすさが異なるので、好みのものを選ぶとよいでしょう。

 

だるま軸は基本が細い軸ですが、穂先との接続部分が太くなっているタイプです。軸が太いとうまく握れないような手の小さな人におすすめでしょう。

 

ストレート軸は、軸から穂先までがほとんど同じような太さになっている軸のことです。

 

4-4.軸の長さで決める

軸の長さは書きやすさに大きく影響するので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

 

初心者の場合は軸が短めのほうが、穂先をコントロールしやすいのでおすすめです。経験豊富で腕全体で書くような感覚が好みの人は、表現力に長けた長い軸のものを選ぶとよいでしょう。

 

5.いくらぐらいのものを選ぶべきか

以上のような条件を満たすものが書きやすい筆ですが、良い筆はどうしても金額が高くなりがちです。小学生だとそこまで高い筆は必要ありません。何度も書くことで上達することもあるので、気にせず何度も使うことの出来る1,000円前後のリーズナブルなものを選べばよいでしょう。

 

6.まとめ

子どもが小学校で習字を習い始めるのは、おおよそ3年生くらいです。そのときは習字道具セットを買うことになりますが、セットによっては内容が異なる場合があるので、中身をよく確認しましょう。

 

習字を書く場合、硯や墨汁などといった道具が必要ですが、もっとも習字の出来を左右するのが「筆」です。子どもに適する筆選びのポイントとしては、四徳がそろっているか?毛の種類や軸が自分に合っているかどうか?などがあります。

 

そのような条件が揃っている筆を使うほうが上達の近道ではありますが、子どもの場合は書く回数を増やすことも大切。気にせず使えるリーズナブルな値段のものを使うのもよいでしょう。

 

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