油性マーカーの種類と目的にあった選び方をご紹介!

文字を書いたりマーキングをしたりイラストを書いたり、私たちは家庭や職場、学校などのさまざまなシーンで油性マーカーを使います。油性マーカーは多くの人が知っている大変馴染み深いものですが、硬筆書写技能検定試験でも指定筆記用具の一つとして選ばれています。

 

ここではそんな油性マーカーを中心に、マーカーの種類や特徴、目的にあった選び方をご紹介しましょう。

 

1.マーカーとは?

マーカーといわれる商品はいろいろありますが、そもそもマーカーとはどのような筆記用具なのでしょう。また一見マーカーと似ているサインペンとは、どう違うのでしょう。

 

1-1.マーカーの起源

マーカーは19世紀にイギリスの貴族が発明したもので、細い金属の筒に絨毛のフェルトをさし込み、毛細管現象でインクを染み込ませて使っていたといわれています。その後フェルトは合成繊維や合成樹脂に変わり、ボディは樹脂で作られるようになりました。そして、アメリカ、日本、そして世界中へと広がっていきました。

 

1-2.マーカーの定義

マーカーとはそうしたフェルトペンの一種で、一般的にはペン先がやや太めのもの指し、元々はしるし付け用に使われていたことから、マーキングペンともいわれています。

 

マーカーとよく比較されるのがサインペンです。はっきりとした定義づけはありませんが、目安として1mm以上で書く方向性がつけられたものがマーカーで、それに対しサインペンは線幅が1mm以下で方向性がないものを指します。また水性のフェルトペンをサインペン、油性のフェルトペンをマーカーと呼ぶこともあります。

 

2.マーカーの種類は溶剤の違いで決まる

マーカーは大きく分けると水性と油性があり、油性の中にはアルコール系も含まれます。これらは使う溶剤によって区分されますが、それぞれにメリット、デメリットがあるのでまずは特徴を知りましょう。

 

2-1.水性マーカー

水性マーカーのインクは、水と着色料でできています。そのため紙や布に書かれたものでは、濡れるとにじんだり消えたりしてしまいます。またガラスやプラスチックといったツルツルした面では、水性インクは表面に定着しづらく字や絵がうまくかけません。しかし紙に書いたときには、にじみや裏うつりがないため見やすく汚れにくいというメリットがあります。

 

2-2.油性マーカー

油性マーカーは揮発性有機溶剤という石油系の溶剤を使っているため、速乾性が高く、一旦書いたものはなかなか色落ちしません。また油分によって固着性が高まるため、ガラスやプラスチックにも比較的書きやすいのが特徴です。

 

アルコール系マーカーも、油性マーカーの仲間です。アルコール系溶剤を使っているため、石油系揮発性有機溶剤に含まれる有害物質を抑えられます。また速乾性や固着性が高く、これまで発色が難しかった白色、銀色、金色のインクも可能になりました。

 

3.油性マーカーは着色料の違いで仕上がりと使い道が変わる

それぞれに特徴のあるマーカーですが、油性マーカーはどのような着色料を使うかによって染料タイプと顔料タイプに分けられます。

 

3-1.染料タイプの特徴と使い道

染料タイプは溶剤、油溶性染料、樹脂からなるインクで、速乾性と耐水性が高くさまざまな素材に使用できます。また、発色が鮮やかなことも特徴です。ただし染料タイプのインクは粒子が細かく繊維を通過してしまうため、紙などに書くと裏うつりしてしまうのが欠点です。また長時間光に当たると、色によっては色褪せするものもあります。

 

固着性が高いためプラスチックやガラス、金属、ポリ袋、ゴムといった表面がツルツルしたものにもきれいに書けます。ダンボール専用のマーカーも染料タイプで、濃く長くかすれず書けるでしょう。衣類などに書く名前ペンも油性の染料タイプが使われています。また樹脂も入っているため、布へのにじみを防ぐこともできるでしょう。その他、クラフトテープの上からでも、はじかずきれいに書ける染料タイプマーカーもあります。

 

3-2.顔料タイプの特徴と使い道

顔料タイプは染料タイプに比べやや速乾性は劣るものの、耐光性、耐水性に優れているため屋外で使用するものに適しています。また粒子が粗いため紙に書いても裏移りしにくいのが特徴です。

 

耐光性、耐水性に強いので園芸用のプレートに効果を発揮します。油性アルコール系顔料のインクは、ホワイトボードマーカーとしても使用されています。油性なのに一拭きで消せるのは、剥離剤が入っているからです。

 

3-3.油性マーカー使用時の注意点

長尺シートやテント、ボールなどアウトドア用品は外で使うものだからと、消えないように油性マーカーで名前を書くこともあるでしょう。しかしそれらがもし可塑剤が含まれている軟質塩化ビニール製である場合、可塑剤と油性マーカーの成分が作用して溶け出し、ベタつきが生じることがあります。可塑剤が含まれている塩化ビニールの場合は、油性マーカーを使わず耐水性のある水性ペンで書きましょう。

 

4.まとめ

19世紀、貴族によってその原型が作られたマーカー。今では誰もが気軽に使い、仕事や勉強、趣味に役立てています。日々新しいアイデアで機能もデザインも進化していくマーカーは、使い方次第でもっと便利に、そして文字を書く楽しみを広げてくれるでしょう。

 

動画添削付き通信講座の書道教室「書香」は、上手に書けるようになることだけを目指すのではなく、書く楽しみを広げていただきたいと思っています。自分の字に自信がない方も、小さなお子さんがいて書道教室に通えない方も、書香なら自宅にいながら気軽に書道を学ぶことが可能です。ただいまWeb生徒さんを募集中ですので、お気軽にお問い合わせください。​